パターン(1):階段を降りると膝が痛む

昨日の記事で「階段を降りると膝が痛む人」は、

一段下に足を着地させるときに、軟着陸させることが、

膝にできるだけ負担をかけない一番の方法だと書きました。

例えば、飛行機での軟着陸、いわゆるソフトランディングは機長の腕によります。

人の脚の場合は、脳からの指令に足の運動神経がきめ細やかに働き、脚の筋肉に伝えればOKです。

 

ソフトランディングの要「大腿四頭筋」

ソフトランディングの実行部隊は、太もも前の筋肉、「大腿四頭筋」(だいたいしとうきん)です。

この筋肉の主な役割は次の3つです。

① 歩いたり走ったりした状態からブレーキをかける

② 腰かけるときにゆっくりお尻を降ろす

③ 上半身の体重が膝にもろにかからないようにクッションの役目をする

 

若いときは、走る機会が多いので①はよくやると思います。これを日常でやっていると、

大腿四頭筋の中の速筋(そっきん)部分が鍛えられます。-(注1)

歳を重ねると、大慌てでバタバタ走るなんてやらなくなるので、大腿四頭筋が衰えてしまうのです。

ただし、若い頃たしなんだスポーツを、晩年になっても続けて楽しんでいる人たちは

「ブレーキ機能」をときどき使うので、自然と大腿四頭筋を鍛えることができているのです。

 

②は大腿四頭筋の中の遅筋(ちきん)部分を使います。 -(注2)

これは単純に立ったり座ったりの回数が多ければ多いほど鍛えられます。

たとえば、家事をこまめにやる人などは、この筋肉は衰えにくいです。

めんどくさがりやさんや、ずぼらさんはこの筋肉の衰えが早まる可能性が高いです。

 

ちなみに、あなたの周りに、椅子に座るとき、「ドーン」と勢いよく座る人はいませんか?

これって既に「ハードランディング」状態になっているので、

放っておけば、将来、ひざ痛になる可能性が高いと思います。

 

①のブレーキ機能と②のソフトランディング機能が十分備わってはじめて

③のクッション機能が働きます。

まだ若いうちに運動をやらなかったり、中年になってこまごまと動くことをさぼったりすると、

晩年になって、「走れない」「歩けない」「立てない」「しゃがめない」という想いを

することになりかねないのです。

膝が痛み出したらもう遅いのか?

では、歳を取って、ひざが痛み出したらもう遅いのか?そんなことはありません。

60代以降のみなさまには、今さら筋肉を鍛えるというのはハードルが高いはずなので

「遊んでいる筋肉を使う」という発想で取り組んで頂ければいいと思います。

 

遊んでいる筋肉とは、すなわち「使っていない筋肉」のこと。

筋肉はいったん衰えても、使いだせばまた復活できるのです。

それは、たとえ、90歳になったとしても同じことです。

 

※記事は1000文字を超えました。「遊んでいる筋肉を復活させる方法」は、次のブログ(11/22掲載予定)で続きを書きます。

 

(注1)速筋:瞬発力を必要とするときに動かす筋肉。別名「白筋」とも言う。100メートル走の選手は速筋が発達している。

(注2)遅筋:持続力を必要とするときに動かす筋肉。別名「赤筋」とも言う。マラソンの選手は遅筋が発達している。

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください