高さが合わない椅子は腰痛を助長する
腰痛持ちさんにとって、座面が適度に硬いことが椅子選びのポイントだとお話ししました。
では、次に注目すべきポイントはどこでしょうか?それは、座面の高さです。
座ったときに腰にかかる負担は、立った時に比べ大きくなります。
それは、立姿勢では、腰・脚の筋肉および関節を総動員で体重を支えます。
ところが、座る姿勢だと、主に腰だけが上半身を支えます。
体全体を総動員で支える方が、上半身を腰だけで支えるより楽なのです。
つまり、楽に座るためには、いかに腰以外を使って上半身を支えるかがポイントとなるのです。
例えば、座面が低い場合。
重心が低く、一見安定感があるように思えますが、膝が直角に曲がっていないので、ふくらはぎの筋肉による支えがあまり期待できません。
仮に膝を直角に曲げると今度は太ももが浮いてしまい、本来そこで吸収できる圧力が腰への負担に変わってしまいます。
逆に座面が高い場合。
今度は足の裏が着地していないために、やはり足で踏ん張る力が期待できず、その分腰への負担が増えてしまうのです。
また、座面が高いと背もたれを有効活用できません。
だから
①足の裏が着地し、②膝が直角よりやや大きい角度で曲げられ、③太ももに適度な圧力が加わり、④背もたれにときどき寄りかかれる
そんな、高さの椅子を選ぶことができれば、腰痛の頻度はかなり抑えられると考えます。