私が一番怖いもの
あなたには「怖いもの」がありますか?
そう聞かれると、なかなか答えにくい質問ですね。
そんなことを話せるのは、気を許している人に対してだけであろうし、そもそも自分が恐れているものって、普段は意識から除外しているでしょう。
ちなみに、私の一番恐いものは「ケガをすること」です。
6年前に草津で転んだとき、右の親指をケガしました。
整体師にとって右の親指をケガするというのは大問題です。
そのときは、右手は人差し指を使う施術だけにとどめ、左手メインでやりました。
いつもと勝手が違うので、腕に余分な負荷がかかるのと、何よりベストクオリティをお客様に提供できないことがとても悔しかったのを覚えています。
整体師は両方の手を使う均等に仕事ですが、なかなかほぐれない時に、
左手で相手の体を引き寄せて、右手で押すという技をときどき使います。
そうすることであまり痛みを感じさせず、2倍の効果を与えることができるのです。
この「とっておきの技」は左右逆転すると思うようにできないのが悩ましいのです。
またある時は、資料を作っていて紙のふちで指の腹を切ってしまったことがありました。
些細なことと思うでしょうが、指の腹でお客様のコリ具合を感知しているので、けっこう困ります。
「コリの度合い」という目では見えないもの、数値化できないものを正しく把握するためには些細な傷でも影響を受けてしまうのです。
では、手の指や腕さえケガしなければいいかというとそんなことはありません。
実は指の力だけで圧力をかけるのには限界があり、施術の大半は体重をかける技に頼っています。
指や腕を突っ張り棒のようにぴんと張った状態で体重をかけると、ツボに真直ぐ、効果的に圧がかかっていくのです。
だから腰や脚を痛めていると、真直ぐに体重をかけることができず、効果や正確性が薄れてしまう可能性があります。
草津で転んだ後遺症として8カ月くらいは腰が痛く、腕の力に頼った施術をしてしまい、毎日腕の疲労が半端ないくらいでした。
それ以来、私は、絶対にケガをしないよう普段から気を付けています。
横着して無理な体制で何かをやることや、慌てて行動することも、ケガの元だと肝に銘じています。
DIYもなるべくやりません。
人から見れば『大げさ』と思われるかもしれませんが、この仕事を一生続けたいので、
その方針を守っています。
※写真は当店のマスコット「来楽(らいらっく)」君です。
元々は「笹の葉エキス」の滋養強壮剤のキャラクターです。
以前、薬局を経営していたお客様から閉店時に譲って頂きました。
お客様が当店に(来)て、帰りは体が(楽)になって頂けるよう願いを込めて私が命名しました。