将来、膝痛で悩みたくなければ、大腿四頭筋を鍛えること、そして30代から体重を維持することが大事です
「ファン一号さんの話」で触れた、僕が知っている膝の負担を減らす3つの方法について、もう少し詳しく書きます。
膝の負担を減らす3つの方法
まず、膝の骨は足の裏から伝わってくる衝撃と、上半身の重さにかかる重力に耐え、体を支えます。(手書きのイラストを参照)
若いときは、高いところからジャンプしても、ふくらはぎの筋肉が発達しているので、膝の下からかかる衝撃を吸収してくれます。
駅の階段で、若者が2段飛ばしで降りていく姿をたまに見かけますね。
また、10代後半は体の成長(体格がよくなる)に栄養の大半が使われるため、上半身の脂肪は思ったほど増えません。この重さは太ももがしっかり支えてくれるので、膝にはあまり負担をかけないのです。
ところが20代後半になり、会社員とりわけデスクワーク勤務になると、歩かなくなります。筋肉は運動量が減ると弱くなるのですが、大人になれば足の裏に衝撃を加える行為も減るので、それに気づかないまま過ごすことになります。
また、30代に入ると代謝が徐々に悪くなり、太りやすくなります。ちなみに30代で10代と同じ量の食事をしていると、確実に太ります。
歩かなくなることによりふくらはぎの筋肉が衰え、体重が増えることによって膝にかかる重力が年々増えてきます。
そうして、老化により体の水分量が減ってくると、同時に太ももの筋肉の柔軟性も失われ、あるとき気づくのです。
『ちょっと歩いただけなのに、膝が痛い』
これは、上下の膝の骨の間にある軟骨が、少し小さくなったことを意味します。
一度小さくなった軟骨は2度と戻りません。
だから、将来膝痛で悩みたくなければ、体重をこれ以上増やさない努力が必要となります。
もし、太ももの筋肉が硬くなっているなら、整体で柔軟性を取り戻すこともできます。
体重が減らなくても、太ももの支える力が蘇れば、軟骨の減少にブレーキをかけることができます。具体的には太ももの前の筋肉「大腿四頭筋」をほぐす施術をします。これが膝の痛みを緩和する第一の方法です。
膝の前の骨、俗に「膝の皿」と呼ばれる部分は靭帯とつながっていて、膝を曲げたり伸ばしたりする際になめらかに動けるよう補助する役目があります。最近の介護業界で注目されているロボットスーツのようなものと言えばイメージできるでしょうか。
代謝が悪くなり太ってくると、当然膝の周りにも肉(脂肪)がついてきて、この「ロボットスーツ」の動きを邪魔します。肉(脂肪)そのものを除去できないまでも、固まっている部分を施術して柔らかくすることにより、若干動きは良くなります。
この施術の難点は、硬くなっているものを力で柔らかくするので、一回の施術でできる時間が限定されるということです。やりすぎると次の日に痛みが出てしまう可能性があるので、施術を分割し回数を重ねる必要があります。これが第二の方法です。
第三の方法は、「床に膝を着くと痛い」人限定の施術方法なので、また別の機会に書きます。