昔のなぞなぞで「上は大水、下は大火事、な~んだ?」という問いがあります。答えは「お風呂」ですが、こんな応用版を考えてみましょう。
「上は熱くて、下は冷たいもの、な~んだ?」
答えは「冷え症の人、特に“頭熱足寒(ずねつそくかん)タイプ”の方」です。
このタイプの方は、体全体の熱量は十分にあるものの、熱の配分がうまくいかず、上半身だけのぼせて、下半身が冷えるという特徴があります。頭が熱く、足先が冷たい――このアンバランスが続くと、肩こりや倦怠感、不眠などにもつながりやすいのです。
なぜ“頭熱足寒”になるのか?
病気や外傷を除けば、多くの場合は「下半身への熱の通り道が狭くなっている」ことが原因です。体の中で作られた熱を下に運びたいのに、途中でせき止められてしまい、余分な熱が上半身に滞ってしまうのです。
これをわかりやすく例えるなら、「高速道路」のようなものです。
胴体(関東)から脚(九州)へ荷物を運ぼうとしても、途中が山道や細道ばかりだと、時間がかかったり運べる量が少なくなります。つまり、熱(血液)を運ぶ“道路”が細くなっているのです。
特に滞りやすいポイント
熱が届きにくいのは、膝から下にかけてのエリアです。
とくに次の4か所は筋肉が少なく、血流が滞りやすい部分です。
- 膝のお皿のまわり
- すね(むこうずね)
- 足の甲
- 足の指のつけ根
この部分の血流を良くしてあげると、下半身に熱が行き渡りやすくなり、上半身の余分な熱も自然に下へ流れます。その結果、全身の温度バランスが整っていくのです。
改善のポイントと整体でのケア
「頭熱足寒タイプ」の冷えは、一度の施術で劇的に変わるものではありません。ですが、繰り返し血流を促す施術を行うことで、体が少しずつ新しい環境に慣れ、ほてりと冷えの両方が落ち着いていきます。
冬になると「足が冷たくて眠れない」「上半身だけ汗ばむ」という方は、体の“熱の通り道”を整えるサインかもしれません。整体で滞りを解消し、頭も足も心地よい温度に戻していきましょう。