年末が近づくと、多くの方が待ち受けているのが「大掃除」です。
窓ふきや床磨きなどダイナミックに体を動かす作業は、「いかにも疲れそう」「翌日は筋肉痛になるだろう」と想像がつきますね。ところが実際には、もっと地味な作業が体に大きな負担をかけることがあります。その代表が「棚の整理」です。
動きの大きい窓ふきと、地味な棚整理の違い
窓ふきは腕を大きく動かし、肩甲骨をダイナミックに使います。普段使わない筋肉が一気に働くため筋肉痛にはなりますが、全身を動かしているので疲労が一点に集中しにくく、時間が経てば自然と回復します。
一方で棚の整理は、座ったまま上半身だけを細かく動かすことが多くなります。本来、腕を上下に動かすときは、まず背中の上部にある「僧帽筋」が働き、その動きを下部の「広背筋」が後押しするという、いわば連係プレーが行われています。ところが座った姿勢では広背筋があまり使われず、僧帽筋ばかりに負荷が集中してしまうのです。
僧帽筋の弱点と「背中の痛み」
僧帽筋は大きくゆったり動かすのが得意な筋肉ですが、小さな動きを速く繰り返すとすぐに凝り固まりやすいという弱点があります。棚の整理では、細かい物を出し入れしたり、腕を小刻みに動かしたりするため、この僧帽筋に疲労がたまりやすいのです。
さらに「一度片づけ始めると途中でやめにくい」という心理的な要素も加わり、気がつけば長時間同じ姿勢で作業を続けてしまいます。その結果、「棚を片づけ終わったら背中が痛い」という事態につながりやすいのです。
疲労を防ぐ工夫
では、どうすればこうした疲れを防げるのでしょうか。
ポイントは「同じ姿勢でやり続けないこと」です。立ってできる作業を組み合わせたり、一定時間ごとに姿勢を変えたりするだけでも負担の集中を減らせます。たとえば、まずは高い場所の整理を立ったまま行い、次に座って細かい整理をする、といった具合です。
また、作業の合間に肩を回したり背伸びをしたりするだけでも、僧帽筋のこりをほぐすことができます。小さな工夫を挟むことで、翌日の疲れや痛みをかなり軽減できるでしょう。
整体でのサポート
それでも背中のこりや疲れがなかなか取れない場合は、整体で筋肉をゆるめ、動きを整えてあげるのも効果的です。年末の疲れを翌年に持ち越さないためにも、体のメンテナンスを取り入れてみてください。
