3月18日にまん延防止解除されてからひと月が経ちました。GWを間近に控え世間は開放気分に傾いているようですが実際のところどうなんだろうと思い、4つの基本データ(新規感染者数、死者数、重傷者数、入院&療養者数)を昨年8月のデルタ株まん延時(赤のライン)と比較してみました。

ここからわかることは

①重傷者数、死者数が少ないので以前にくらべ医療体制に余裕がある。

②新規感染および入院&療養中は高止まり状態にある。

おそらく政府がまん延防止を解除した根拠が①であり、経済再開に舵を取り規制を緩めた結果、②の状況になったと思われます。ちなみにデルタ株が激減した昨年11月から12月まで2ケ月の値は、

新規感染者数・・・1日平均180人  死者数・・・1日平均2人。

またその期間の重傷者数は130人以下、入院&療養者数は2000人以下でした。

上限下限を比較してわかったことは

③感染したくない人にとっては、今は安心して街を歩ける状態であるとは言えない。

ということです。

私も、この状況が改善しない限り、マスクを外さなければならない飲み会や、クローズされた空間に長時間いなければならないコンサートなどのイベントの参加は、全てお断りしようと決めました。

逆にマスクを外さなくて済む少人数の打合わせの場や、2メートルの距離を取れる野外イベントなどのお誘いは積極的にお受けしようと思っています。

続いて諸外国の動向です。

 中国アメリカロシア日本イギリス韓国
新規感染(7日平均)2.6万4.5万1.2万4.5万4.5万13万
総人口14.5億3.3億1.5億1.3億6.8千万5.1千万
傾向(一ケ月前比)増加横ばい減少横ばい横ばい減少

米 ジョンズ・ホプキンス大学の発表したデータを元にしています。アメリカ、イギリス、日本の3か国は4.5万人前後を停滞しています。人口比率から見ると、イギリス>日本>アメリカという状況です。おとなり韓国はピークは過ぎたものの日本の3倍(人口比率で言うと7倍)もの新規感染者が発生しているにも関わらず時短営業などの大幅緩和に踏み切りました。中国は増加傾向にあり上海でのロックダウンが続いています(英・フィナンシャルタイムズの記事では上海市だけで一日あたり2万人増)

ロシアの数字は、有事により確かなものかどうかは疑問です。ちなみにウクライナの数字は2月24日を境に調査されていません。

今後のリスクを予想してみました

「新型コロナの横ばい」「ウクライナ危機」「円安ドル高」の3要因が、今後の私たちの生活にどういう影響をもたらすのか、私なりに予想してみました。

まず、政府が今まで新型コロナ対策につぎ込んできた大量の資金は、ウクライナ支援と防衛費アップという名目によって、今年度から大きく削減されるでしょう。企業への補助金は縮小し、いまだに立ち直れない飲食・観光・宿泊・エンタメ業界は大きな決断を強いられることになるやもしれません。

また、「原油高」「資源高」に起因したいわゆる「悪い円安」によって家計の所得減・支出増もあと一年くらいは続くでしょう。可処分所得の少ない貧困家庭ほどダメージは大きくなります。

そして、2年間の巣ごもり生活で、体力が落ちたという潜在的未病者も増えていると思われます。健康を害せば最悪働けなくなり、思わぬ収入減に陥るリスクもあります。

私は経済や金融の専門家ではないので、お金に関するアドバイスはできません。

それでも整体師として18年、ITコンサルとして2年やってきた経験に基づいて言えることは、

「2年前のコロナ禍で大きく変えざるを得なかった生活習慣をもう一度見直し、支出と時間配分を最適化しよう。そして資産の無い人ほど、自分の心と体という資本を大事にしよう」ということです。

(1)支出最適化について

例えば、食料の物価が10%上がるなら、食べる量を10%減らせば帳尻は合います。今の日本人の食生活レベルでは、食べる量を10%減らしても健康を害することはほとんどありません。むしろ体調がよくなる人が続出するとさえ予想されます。

「食べたい」という欲求は主に「脳」と「胃腸」から発せられます。胃腸は単に「空っぽだよ、補給して」という信号を出しますが、脳はストレスや不安感など心のすき間を埋めるために「なんでもいいから補充して」という信号を出します。後者の信号を「空腹」と勘違いしてしまうと、食べ過ぎすなわち栄養過多となり、それが慢性化すると太ってしまうのです。

(2)潜在的未病者にならないために

「未病」とは、はっきりと病気の症状が出ないものの、決して健康であるとは言えない体の状態のことです。「朝がなかなか起きられない」「食欲がない」「なんとなく体が重い」「すぐ横になりたくなる」

「やる気が出ない」「お風呂から出てもすぐ冷える」「なかなか寝付けない」など。

コロナ禍になって、私たちの生活はだいぶ制限されました。本人が不本意と感じる生活に耐えるのは

せいぜい3ヶ月が限界で、それまでに新しい習慣を取り入れたか否かで体への影響度が変わってきます。

巣ごもり生活が私たちに与えた影響は「食べ過ぎ」「運動不足」の他にも、「学校や会社など周囲の目にさらされているという緊張感が減り、交感神経・副交感神経のバランスがくずれた」「モニター越しで話していても人の熱量を感じられず、孤立感が増えた」などがあります。それを埋めようとまん延防止が解除になるたびに我慢してきたことを開放しても、本当の意味での解決にはならないのです。

ではどうすればよいでしょう?

これまでは「収束したらあれをしよう、これをしよう」と考えていた人が大半だと思うのですが、これからは「今の環境に合った生活のパターンを再構築して、やれることをやり、やれないことはいったんあきらめる」という方法しかないのだと思います。逆に考えれば、今までの生活で「怠けているな」と感じていることを是正する絶好のチャンスなのです。

それにはまず、あなたが理想とする生活のリズムをつかみましょう。人間は寝る・食べる・出すを基本として、楽しむ・笑う・動く・しゃべるを必要としています。私もこの2年間「目覚ましをかけなくても決まった時間に起きられるようになれないか?」 「口さみしいときに罪悪感を感じず解消するにはどうしたらいいか?」 「何をどのくらい食べたら下痢(または便秘)になってしまうのだろう?」といったことを本気で研究・実践してきました。睡眠・食事・便通が整えば、気持ちが前向きになり、今で気が付かなかった新しい楽しみ方が見つかるかもしれません。

「止まない雨はない」と言いますが、今回は梅雨空のように長く停滞するようです。いつ梅雨明けしてもいいように、自分の心と体をきちんと整えておきましょう。