11月14日付の全国重傷者数は85人。ひと月前の357人から大幅に減りましたが、医療の現場では少なからず重症者がいることで、エクモなどの機械を見るために経験豊富な看護師や医師などの人員を割いたままとなり、まだまだコロナ前のような正常運用にはなっていないようです。
ワクチン接種が進んでいる8か国のデータから、3つの事実がわかります。
(1)先行していた欧米は接種率が高止まりになり、日本と韓国では4人に3人が接種完了となった。
(2)10万人当たりの新規感染者数は接種率が高い国ほど少なくなっている(特に日本はダントツ)
(3)ヨーロッパでは新規感染者数は微増傾向にある(ドイツは悪化)
※ドイツ悪化の理由は、左図で説明がつきます。EUは周辺国との往来制限がゆるい為、接種率の低い東ヨーロッパやロシアの影響を受けやすいのです。
(テレビ東京・ワールドビジネスサテライト11月8日放送分より引用)
つまり、日本が現状維持もしくは減少傾向に持って行くためには、接種率が低い国との往来を遮断する必要があると言えます。国内では3回目のワクチン接種が12月から開始されると先日報道されましたが、接種不十分な交流国に優先して回すのも有効な方法かもしれません。
陽性率も減少傾向にあるようです。ひと月前と比べPCR検査の数は3/4になっているので、陽性率が変わらないなら新規感染者数は450人程度になるはずです。つまり、検査する人も減ったが、それ以上に陽性率が下がった影響で新規感染者数が激減したことがわかります。一回目の接種完了者の数から3週間後の国内接種完了率は75.5→78.7%まであがることがわかっているので、特異事項が無い限り、この傾向は続くと思います。
【国産ワクチンの開発状況と海外製飲み薬の認可について】 11月15日現在
国民の8割弱がワクチン接種を終える中、事情により接種できていない人がいます。
・厚生労働省が指定している年齢制限(11歳以下)
・接種をためらう正当な理由のある方
・メッセージ型でなく従来型のワクチンの完成を待っている方
そこで国産ワクチンと治療薬について公式発表を調べて、毎月ここに書き出します。
①塩野義製薬(組み換えたんぱく質ワクチン)
2021年8月から初期段階の臨床試験を行ったところ、安全性に大きな問題はなく、ウイルスの働きを抑える中和抗体の値が上昇したことが確認されました。10月から3000人を対象に大規模な臨床試験を始め、2021年度内の実用化を目指すとしています。
②第一三共(メッセンジャーRNAワクチン)
2021年度内に最終段階の臨床試験を予定し、2022年中の実用化を目指すとしています。すでに別のワクチンを接種した人と開発中のワクチンを接種した人で抗体の値などを比較して差がないことを確認する「非劣性試験」という手法で最終段階の臨床試験を行う考えを示しています。
③KMバイオロジクス(不活化ワクチン)
不活化ワクチンはウイルスを加工して毒性をなくしたもので、季節性インフルエンザなどと同じタイプです。初期臨床試験の結果、一定の有効性や安全性が確認できたとしていて、2000人を対象にした次の段階の臨床試験を始めました。さらに、2021年中にもすでに既存のワクチンを2回接種した人に接種する「追加接種」の臨床試験を始め有効性と安全性を確認し、2022年度中の実用化を目指すとしています。
④軽症患者向けの飲み薬「モルヌピラビル」
11/11後藤厚生労働大臣は、軽症患者向けの飲み薬「モルヌピラビル」を開発する製薬大手「メルク」の日本法人「MSD」との間で、薬事承認が行われることを前提に国内向けに160万回分の飲み薬を確保することで合意したと発表しました。(2021年内に20万回分、2022年3月までに40万回分、それ以外に100万回分を確保)大臣は「国民の健康を守り、命を守っていくことに対し、大変大きな効果と大きな意味があることだ。国内産の経口治療薬も含め、今後とも必要な対応を進めていきたい」と述べました。
〈情報引用元:NHK新型コロナウイルス特設サイトより〉