5月7日付の全国重傷者数は1131人。コロナ禍の社会にみんなが慣れてしまったところに変異ウイルスが猛威を振るった結果です。この数字は今までのピーク値を上回っているため、事実上の医療崩壊状態と言えるでしょう。こんなときに病気にかかると今までの医療サービスは受けられないかもしれないと考えたほうがよいと思います。

この状況を脱出するための有効策は今のところ「ワクチンの接種」以外考えられません。そこで今回は各国のワクチンの進行状況を表にまとめました。基本情報として以下の数字があります。

◇全世界の感染者数=1.56億人、うち死亡者数=326万人

◇全世界致死率=2% (インフルエンザは0.02%)

◇再生産数=2  集団免疫率=50%

つまり、国民の半分が免疫を持てば、再生産数が1を割り収束に近づくという計算です。

現時点でこの条件を満たしている国、イスラエル、イギリスは新規感染者数がピーク時の3%以下になっています。また50%に近づきつつある2国は、アメリカ(12月開始)、チリ(2月開始)と着手時期の差が、現時点での減少率の差(85%と40%)に影響していると思われます。ピークの時期もアメリカ(1月)に対し、チリ(4月)と開きがあるので、3ヶ月後のチリの状況に注目すべきでしょう。

日本はチリと比べても3ヶ月は遅れているので、単純計算でイギリス、アメリカ並みに追いつくのは、半年後の11月くらいと想像できます。4月19日付けで政府が『今年9月までに国内の対象者に必要なワクチンの追加供給を受けるめどが立った』という発表をしましたが、それを各自治体に配布して、実際にワクチン接種するまでの期間を考えると、やはり集団免疫率50%に届くのは11月くらいかなと思われます。

話は変わりますが、私の地元一宮町では、オリンピックでサーフィン競技が行われる予定です。それに伴い、町でも「おもてなしイベント」を計画していたのですが、4月29日に「中止」の正式発表がされました。私も当初は「わが町にオリンピックがやってくる」とワクワクしていましたが、今の状況を踏まえると、たくさんの人がやってくることに不安を感じていたので、これでよかったんだと思います。

でも、競泳の池江璃花子選手の復活や、ゴルフの松山英樹プロの偉業のニュースを聞くと、暗く閉ざしがちな心に一筋の光が差したように感じました。いろいろな考え方の人がいるので答えは一つではありませんが、一年待ってここまでがんばってきたアスリートの人たちにはなんとか競技をさせてあげたい気持ちになりました。だから、もしオリンピックが開催するならば、それはそれで楽しくテレビ観戦をしたいと思います。